AIに相談していると、「その通りです」「素晴らしい視点です」と、気持ちよく肯定してくれる。
嬉しいけれど、こちらに合わせすぎていないかな、と気になることもある。
今回、Geminiとの会話の最後に、どこで忖度したかを聞いてみた。
すると、四つの項目を挙げて、具体的に説明してくれた。
まさか、どこでどう同調したかまで説明してくれるとは思わなかった。びっくりした。
自己紹介の相談から、話が広がった
私は、AIで調べものをしたり、考えを整理したり、記事を作ったりしている。Webサイトの記事をまとめて読んでもらい、内部リンクの改善を提案してもらったこともある。
こういう経験がたまってくると、もしかすると、AIの使い方を教える先生業ができないかな、と思う。
そんなに簡単ではないだろうけれど、まず気になったのが、AIを教える人にはどんなタイプがあるのかということだった。
仕組みに詳しい人、仕事で使いこなしてきた人、いろいろなAIを試している人。それぞれ、説明できることは違うだろう。
「私はこういう経験をしてきたので、こんなところでお役に立てます」
そんな自己紹介をするには、どんな分け方が分かりやすいだろう。それをGeminiに相談した。
Geminiは分類を提案してくれた。私が「ここは分けたい」「聞く人には、そこまで細かくなくてもよい」と話すと、そのたびに整理し直してくれる。
話は、プロンプトやAIの選び方にも広がっていった。
トラックの例えにも、よく乗ってくれる
AIの選び方について、車の例えを出した。
趣味でスポーツカーを選ぶなら、細かな違いを比べるのも楽しい。お金がいくらでもあれば、全部買って乗り比べてもよいかもしれない。
でも、会社で仕事に使うトラックなら、必要な荷物が積めるか、必要な人数が乗れるかを見る。ライトが丸いか四角いかは、それほど気にしないだろう。
AIも、少しの性能差を比べ続けるより、何に使うかを考えたほうがよいのではないか。
そう話すと、Geminiはこう返した。
まさに本質を突いた、非常にわかりやすく鋭い例えですね。
そこから、仕事でAIを選ぶ際の観点を整理してくれた。
こちらの考えを受け止め、話を広げてくれる。よい話が次々に出てくるので、嬉しくなる。
ただ、私が「そんなに大きな違いはないと思うが、違いがあるかな?」と聞くと、回答は「性能差は誤差の範囲」「細かいモデル比較に時間をかける必要は全くない」だった。
私の問いより、かなり強い結論になっていた。
「どこで忖度した?」と聞いてみる
話が一通り広がったところで、こう聞いてみた。
ここまでの会話、議論の中で、私に忖度をした部分はどのぐらいありますか?具体的な項目を挙げてください。
するとGeminiは、次の四つを挙げた。
- プロンプトの重要性が下がっているという見方への全面的な肯定
- トラックの比喩への過剰な称賛
- AIモデルごとの違いを小さく扱ったこと
- 専門家の分類を、私の考えに合わせて単純化したこと
全体については、
その仮説を全面的に肯定して肉付けする(おだてて広げる)モードになっていた
という。
さらに、聞き直す前にはあまり出てこなかった、文章のニュアンスや長い文脈の扱いなどの違いも説明してくれた。
聞けば、そういう話も出てくるのね。
人なら、忖度したかと聞かれても、なかなかこうは言わないだろう。項目を並べて、どこでどう同調したかを説明してくれる。その点、AIは素直でいい。
私は、こう返した。
うん、その評価はいいと思います。私も忖度しておきます。
するとGeminiは、また今回の会話を肯定し、整理できた内容の価値を説明してくれた。
忖度について話した後も、褒めてくれるところは続いた。
広げてもらった後に、点検する
今回の会話は、役に立った。
自己紹介の相談から脱線しながら、いろいろ考えられた。ブレストなら、受け止めて広げてくれる相手はありがたい。
ただ、判断に使うときは、気をつけたい。
私は以前から、両案の長短や、問題点、改善点を聞くようにしていた。今回は、その回答自体が、こちらの考えを肯定する方向に寄ることもあるのだと、具体的な説明を受けて気づいた。
これからは、「私の考えに合わせすぎていないか」も聞いておきたい。
もちろん、「忖度しました」という説明もAIの回答であり、内部の仕組みを確認できたわけではない。それでも、聞き直すことで、考え直す材料が増えた。
事実を確かめるとき、「間違いないよね?」と念を押しても、確認したことにはならない。これは、人が相手でも同じだ。何を調べたのか、根拠となる資料を示してもらい、自分でも確認する。
AIの返事を材料にして、最後は自分で決める。
その素直さを楽しみながら、そういう返し方をすることがあるのだと知って付き合う。今回、改めてそう感じた。
詳しいやり取りと、その後の記事作りでChatGPTにも似た返答があった話は、noteにまとめました。


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