Webサイトに労災の記事を書いています。
少しずつ書き続けていたら、公開した記事が20本になりました。
そろそろ、内部リンクが気になってきました。
というのは,新しい記事から以前の記事へのリンクはあるのですが、以前書いた記事から新しい記事へのリンクがないのです。例えば「あとで書きます」と書いてある部分を、「詳細はここに書いてあります」と直して、リンクを貼った方が便利です。
とは言っても、20本の記事を一つずつ読み直して、関連する記事を探して、どこにリンクを入れるか考える。
これは結構大変です。たかが20本ですけど、時間はかかる。
そこで、
AIに全部読んでもらえばいいのでは?
と思いました。
20本の記事を全部読んで、内部リンクを考えられる?
まずChatGPTに相談しました。
サイトのURLを示して、
「ここにある記事を一通り読んで、内部リンクを提案できるか」
と聞いてみました。
「できる」とのこと。
しかも単に、
「この記事とこの記事は関連しています」
と調べるだけではなくて、本文のどこから、どの記事へ、どんな言葉でリンクするのが自然なのかまで提案できると言うのです。
「やってもらおうじゃないか」
これを人に頼むのであれば、成果を捨てたら申し訳ない。AIであれば、結果をみてから採用するかどうか決めても良い。
AIさまさまです。
「関連記事を探して」だけではなく、条件を決めた
できるというので、次に「どう進めればいいか」を相談しました。
こういう複数の記事を横断して調べる作業には、Workが向いているとのこと。
そこで、ChatGPTと相談しながら、Workに渡す作業指示を作りました。
ここでは、調査するときの条件も整理しました。
といっても、条件の多くはChatGPTに提案してもらい、僕が「それでいこう」と決めただけです。
たとえば、
- 20記事すべての本文を確認する
- 全体を説明する記事から詳細記事へのリンクを探す
- 詳細記事から全体記事へ戻るリンクも考える
- 一般向けの記事と、法令や通達を扱う実務記事をつなぐ
- すでにある内部リンクも確認する
- 本文のどこに入れるかを示す
- アンカーテキストも提案する
- リンク候補に優先順位を付ける
といった条件です。
一つ、特に重視した条件があります。
「関連しているから」という理由だけでリンクしないこと。
その文章を読んでいる人が、次にその情報を知りたいと思うか。
そこを基準にするようにしました。
SEOのためにリンクを増やしたいのではなく、読んでいる人が必要な情報へ移動しやすくしたいからです。
20記事から50件の内部リンク候補が出てきた
Workに調査を任せると、20本の記事を確認してレポートを作ってくれました。
結果は、
- 対象記事:20本
- 内部リンク候補:50件
- 優先度「高」:36件
- 優先度「中」:13件
- 優先度「低」:1件
でした。
さらに、既存の記事を調べると、対象となる20記事同士の本文リンクは6本だけ。
20記事のうち15記事には、ほかの対象記事への本文中のリンクがありませんでした。
思っていた以上にリンクできていません。
でも、考えてみれば当然です。
記事を書いたときには、リンク先の記事がまだなかったのですから。
提案されたリンクも、
「労災給付の全体記事」から「業務災害」「通勤災害」「業務上疾病」へ、
「通勤災害」の一般向けの記事から、法令や通達まで扱った「通勤災害の判断基準」へ、
「保険関係成立届」から「概算保険料」「継続一括」「未手続」「電子申請」へ、
といった具合です。
これを自分でやろうとしたら、20本の記事を行ったり来たりしながら、一つずつ関係を確認することになります。
しかも、リンク先を決めるだけではありません。
「どの見出しの、どの文章からリンクするのか」
「アンカーテキストは何にするのか」
「なぜ、そこからリンクするのか」
「優先度は高・中・低のどれか」
まで考える必要があります。
Workは、そこまでまとめて調べて一覧にしてくれました。

これは楽です。
自分で20本の記事を行ったり来たりして、この一覧を作るところから始めることを考えると、ずいぶん時間を節約できました。
せっかくなので、もう一つ聞いてみた
ここまでが、もともとやりたかったことです。
内部リンクの候補は出ました。
あとは提案を確認して、必要なものを実際の記事に入れていけばいい。
そこで、ついでにもう一つ聞いてみました。
「このサイトを利用者がさらに使いやすくするための、リンクやメニューに関する提案はあるか」
内部リンクを調べたのだから、ほかにも気付いたことがあれば聞いてみよう、くらいのつもりでした。
すると、内部リンクとは少し違うところまで話が広がりました。
「記事の分類」ではなく「利用者の目的」から入れるようにする
僕の労災サイトでは、記事を大きく、
「成立・加入」
「請求」
「労災実務メモ」
などに分けています。
僕自身は分かります。
自分で作った分類だからです。
労災の制度を知っている人にも、それほど難しくないと思います。
でも、初めてサイトに来た人はどうでしょう。
事故に遭って労災について調べ始めた人が、
「自分が知りたいのは『請求』にある」
と最初から分かるとは限りません。
そこでAIが提案したのが、今の分類をなくすのではなく、その前に利用者の目的から入れる入口を作ることでした。
たとえば、
「仕事中・通勤中に事故が起きた」
「従業員を初めて雇った」
「フリーランスとして労災に入りたい」
「法令・通達や判断根拠を確認したい」
といった入口です。
なるほど。
「成立・加入」「請求」「実務メモ」は、情報を整理する側の分類です。
一方、
「事故が起きた」
「従業員を雇った」
「フリーランスとして加入したい」
は、サイトに来た人の側から見た分類です。
同じ20本の記事でも、入口を変えるだけで探しやすくなるかもしれません。
AIに頼んだのは「内部リンク」だった
今回、最初にAIへ頼んだのは、内部リンクの整理でした。
20本の記事を読んで、
「この記事の、この部分から、この記事へリンクするといい」
と提案してもらう。
そこまでは想定していました。
実際、それだけでもかなり助かります。
少し驚いたのは、その先でした。
20本の記事をまとめて読ませたことで、AIは一つ一つの記事だけではなく、サイト全体を見ることができたようです。
そこで改めてサイト全体について聞いてみると、
「どの記事とどの記事をつなぐか」
だけではなく、
「そもそも、読者をどこから入れたらいいのか」
というところまで話が広がりました。
こちらはリンクを整理しようとしていたのに、サイトの構造まで見直す話になりました。
AIは「書く」だけではなく「整理する」にも使える
生成AIというと、
「文章を書いてもらう」
「文章を直してもらう」
という使い方を最初に思い浮かべます。
僕も記事を書くときには使っています。
でも今回やってみて、すでにある大量の情報を整理する仕事にも向いていると感じました。
記事が5本くらいなら、自分の頭の中で関係を覚えていられます。
20本になってくると怪しくなります。
さらに30本、50本と増えれば、
「あの記事に、この話を書いたはず」
「この記事から、どの記事へリンクすればいいんだっけ」
ということが増えていきます。
AIなら、いったん全部を読ませて、横断して調べることができます。
新しい記事を書かせるのではなく、
自分がこれまで書いてきたものを、もう一度AIに整理してもらう。
こんな使い方もあるようです。
そして今回、もう一つ感じたことがあります。
内部リンクを一つずつ探す作業をAIに任せたことで、
「では、サイト全体をもっと使いやすくするには?」
と、次のことを考える余裕ができました。
AIに作業を任せる価値は、単に作業時間が短くなることだけではないのかもしれません。
時間のかかる調査や整理をAIに任せて、人間はその結果を見ながら「では、次に何をするか」を考える。
今回、サイトの入口まで見直すことになったのも、そんな流れでした。
さて、本当に使いやすくなるのか
ここまで書いてきましたが、実はまだ、AIが提案した50件の内部リンクを記事に反映していません。
利用者の目的から入れる入口も、まだ作っていません。
今回は、
AIにサイトを調べてもらったら、こんな提案が出てきた
というところまでです。
これから、まずは入口を作り、そのあと、提案されたリンクを一つずつ確認して、実際にサイトへ反映します。
当初の予定とは違いますが、入口を先に作った方がよさそうだからです。
AIが提案した通りに変えると、本当に読みやすくなるのか。
全部採用するのか。
人間が見れば「これはいらない」と思う提案もあるのか。
そのあたりも含めて試してみようと思います。
少なくとも、20本の記事を自分で一つずつ読み返して、50件の候補を拾い出すところから始めなくて済みました。
それだけでも、ずいぶん違います。
そして今回、一番面白かったのは、内部リンクの整理が終わったあと、
「もっと使いやすくするには?」
と聞いてみたら、今度は「利用者の入口」まで見直すことになったことです。
最初に考えていたのは、20本の記事をどうつなぐかでした。
でも、20本をまとめて見てもらったからこそ、
「では、この20本の記事に、読者はどこから入ればいいのか」
という次の話ができました。
AIに仕事を頼むときには、最初に頼んだ仕事の結果だけで終わらせず、
「ほかに改善できるところはない?」
と、もう一度聞いてみるのも面白そうです。
さて、次は実際に直す段階です。これは、自分でやるしかない……。頑張ります。


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