家庭のネットワークを構築するとき、一戸建てと集合住宅では事情が大きく違います。
ここでは「マンション・アパートならではの制約」と「回線タイプごとの注意点」を整理し、自分の環境に合わせた対策を考えます。
目次
💡 自分の回線タイプを知ることが第一歩
まずは「自分の部屋にどんな回線が来ているのか」を知ることが大前提です。
知らずにルータを買っても、性能を発揮できないどころかトラブルの原因になります。
- LANポートがある場合 → それが共用ルータ経由なのか、個別回線なのかを確認。
- モデムや終端装置(ONU)が部屋に設置されている場合 → 自分専用回線の可能性大。
- Wi-Fiしかない場合 → 大家や管理会社の共用Wi-Fiを利用しているケース。
📡 回線タイプ別の注意点
- マンション光配線方式 各部屋まで光ファイバーが来ている。 → 一戸建てと同等の速度が期待できます。
または、マンションの入り口まで光ケーブルで、その後LANケープルで各部屋に配線。 → 1Gbpsから100Mbps程度まで、マンションによって異なります。
👉 安定性が高い。 - マンションVDSL方式 部屋までは電話線で接続。 → 最大100Mbps程度で頭打ちになりがちです。
👉 注意。高速化は難しい。 - CATVインターネット 同軸ケーブルで供給。 → 混雑時間に速度が落ちやすいです。
👉 注意。環境によって差が大きい。 - 大家の無料Wi-Fi ビジネスホテルのWi-Fiと同じイメージ。 → 速度・安定性・セキュリティに限界があるため、割り切って使うしかないです。
👉 割り切り。常用には不向き。
🚨 集合住宅ならではの制約
- 共用回線の可能性 一つの光回線を複数戸でシェア → 混雑時間に遅くなることがあります。
- 管理会社や大家の制約 勝手に工事できない/ルータを交換できない場合があります。
- 外部公開の制限 グローバルIPが使えない → 外部から自宅機器にアクセスできないケースも。
💡 二重ルータ問題とDHCPのイメージ
集合住宅では「すでに共用ルータが設置されている」ことがあります。
その状態で自分の部屋にさらにルータを置くと、「二重ルータ(二重NAT/二重DHCP)」になり、通信が不安定になったり、一部のサービスが使えなくなることがあります。
ルータは門のようなもので、通過する人に「名前(IPアドレス)」を割り当てます。門が2つあると、2回名前をつけられてしまい、かえって混乱の原因になるのです。
この場合は、自分のルータを ブリッジモード(門を素通りさせるモード) に設定し、名前(IPアドレス)は共用ルータに任せるのが解決策です。
まとめ
- 集合住宅では、自分の部屋に来ている回線タイプをまず確認することが大切。
- VDSLやCATV、大家の無料Wi-Fiは速度や安定性で限界がある。
- すでに共用ルータがある場合は、自分のルータをブリッジモードに設定するのが安全。
次の記事では、具体的な製品の選び方を紹介します。
製品具体編
シリーズ一覧
- N1 基本編:家庭用ネットワークに最低限必要なもの
- N2 性能編:どこまで必要か、どこで割り切るか
- N3 集合住宅ネットワーク編:回線事情と工夫 (この記事)
- N4 構築編:家庭ネットワークの具体構成
- N5 実践編:2025年版 家庭用ルータはこれで決まり!
- N6 製品ラインと価格も考えた選び方
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