家庭のネットワーク機器を選ぶとき、つい「速いもの」「高機能なもの」を求めてしまいがちです。
でも実際には、どこまで求めるか、どこで割り切るか が大切です。
その判断のために、まず知っておきたい前提知識を整理します。
目次
✅ 前提として知っておくべきこと
- 回線の制約
契約しているインターネット回線が出せる速度以上は出ません。速度は光回線なのか、CATVか、マンション共有回線かなどで違います。
- 機器の制約
古いパソコンやWi-Fi端末は、新しい規格のルーターでも性能を活かしきれません。パソコンやスマホの性能以上の速度にはなりません。
- 家庭の使い方
一人暮らしで動画を見るだけと、家族全員で同時にゲームや在宅勤務をするのでは、求める性能がまったく違います。
🚨 性能は割り切れても、セキュリティは割り切れない
- ここだけは削れない必須条件です。
- パスワードを強力にする、WPA2以上の暗号化(できればWPA3)、不要な外部公開をしないことは最低限守るべきライン。
- 速度や機能は「利用状況に合わせて割り切れる」が、セキュリティは妥協すると危険そのものです。
評価ポイント | なぜ大事か | 割り切り基準 |
---|---|---|
Wi-Fi規格(Wi-Fi 5/6/6E) | 通信速度と同時接続数に直結 | 一人暮らしで動画中心ならWi-Fi 5で十分。家族利用ならWi-Fi 6以上が安心。 |
セキュリティ(WPA2以上/できればWPA3) | 安全な通信の最低ライン | WPA2-AESは必須。新しい機器ならWPA3を選択。 |
有線ポート(LANポート数・速度) | NASやデスクトップPCの安定接続に必須 | 有線ならギガビット必須。数が足りなければスイッチハブ追加で対応。 |
管理UIの使いやすさ(セットアップ・更新) | 初期設定やアップデートが簡単かどうか | 自動アップデート対応や日本語UIなら安心。難しいなら避ける。 |
💡 割り切りポイントの例
高性能を求める必要がないケース
- 一人暮らし/動画視聴やネット検索が中心→ Wi-Fi 5対応ルーターでも十分
少し性能を欲しいケース
- 家族で同時に動画やリモート会議をする→ Wi-Fi 6対応、安定した同時接続が必要
高速通信が不可欠なケース
- NASを利用する/大容量データを頻繁に扱う→ NASは有線LANでギガビット接続が必須。パソコンやスマホなども、可能ならWi-Fi 6Eで接続したい。
遅延が致命的なケース
- ゲーミングや配信→ 高速・低遅延ルーター、QoS対応、できれば有線接続
📎 付録:Wi-Fi規格
- Wi-Fi 5(11ac):多くの家庭でまだ現役。4K動画や通常利用なら十分。
- Wi-Fi 6(11ax):同時接続に強く、在宅勤務や家族利用に最適。
- Wi-Fi 6E :6GHz帯が使える最新規格。対応端末はまだ少ない。
📎 付録:暗号化方式
- WPA2-AES:現行の基本暗号化方式。
- WPA3 :新しい標準。対応機器ならこれを選択するのがベスト。
まとめ
- 性能は「使い方」によって割り切れる
- ただし、セキュリティだけは割り切れない
- 自分や家族の利用シーンをイメージして、必要十分な性能を見極めよう
シリーズ一覧
- N1 基本編:家庭用ネットワークに最低限必要なもの
- N2 性能編:どこまで必要か、どこで割り切るか (この記事)
- N3 集合住宅ネットワーク編:回線事情と工夫
- N4 構築編:家庭ネットワークの具体構成
- N5 実践編:2025年版 家庭用ルータはこれで決まり!
- N6 製品ラインと価格も考えた選び方
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