パソコンやスマホで撮影した写真・動画、仕事のデータなど、どんどん増えていくファイルをどこに保存していますか?
外付けHDDやクラウドストレージを使っている方も多いと思いますが、**「自宅やオフィスで安心してデータをまとめたい」**というニーズに応えるのが NAS(Network Attached Storage) です。
この記事では、NASの基本からメリット、初めての導入ポイントまでをわかりやすく解説していきます。
NASとは?
NASは「ネットワークに接続するストレージ(記憶装置)」のこと。
通常の外付けHDDはUSBケーブルでパソコンと直接つなぎますが、NASはLANケーブルやWi-Fiを使って接続します。
つまり、NASをネットワークに設置すれば、同じネットワークにつながっている複数の機器からデータを共有できるのが大きな特徴です。
NASを導入するメリット
1. 複数端末でデータを共有できる
パソコン、スマホ、タブレットなど、どのデバイスからでも同じファイルにアクセス可能。家族で写真を共有したり、オフィスで業務データをチーム全員で使えます。
2. データの自動バックアップ
NASには「RAID機能」が搭載されているモデルが多く、HDDを2台以上入れて冗長化することで、1台のHDDが壊れてもデータが失われにくくなります。さらに、自動バックアップ設定をすれば安心度はさらにアップ。
3. クラウド感覚で利用できる
外出先からでもインターネット経由でアクセス可能。Google DriveやDropboxのようなクラウドと似ていますが、自分専用のクラウドを持てるのがNASの強みです。
4. 動画・音楽サーバーとして活用
DLNA対応のNASなら、保存した映画や音楽をテレビやスマホでストリーミング再生できます。家庭用メディアサーバーとしても活躍します。
NASの活用シーン
- 家族の写真・動画をまとめて保存し、テレビで楽しむ
- 自宅と外出先で同じファイルにアクセスする
- 会社で業務用データを共有し、ファイルサーバーとして利用する
- クリエイターが動画や画像データを大容量で保管する
NASを選ぶ際のポイント
1. ベイ数(HDDを何台入れられるか)
- 1ベイモデル:安価だが冗長化できない。
- 2ベイ以上:RAID構成でデータ保護可能。一般的には2ベイ以上がおすすめ
2. 容量
写真や動画を多く保存するなら4TB以上を目安に。将来的に増設できるモデルを選ぶのも安心です。
3. メーカー
代表的なNASメーカーは以下の通りです:
- Synology:使いやすいOSと豊富なアプリで人気
- QNAP:高性能モデルが多く、ビジネス利用にも強い
- バッファロー:初心者向け、国内サポートが手厚い
- アイ・オー・データ:コスパ重視、家庭向けモデル多数
4. アクセス機能
スマホアプリからの利用や、外部からのリモートアクセスが簡単にできるかどうかも重要です。
5. RAID
個人用途なら RAID 1(安全重視)か RAID 5(効率バランス)がおすすめです。
バックアップ用、共用、高速化、大容量化など、利用目的に合わせて選びましょう。
6. ホットスワップ
ホットスワップは、NASの電源を入れたままHDDやSSDを交換できる機能で、システム停止なしにメンテナンスできるのが特徴です。
ただし、個人利用の範囲内ではあまり必要のない機能でしょう。
NASにおけるRAIDの基本
NASでは複数のHDDをまとめて使う際に「RAID」という仕組みが利用されます。代表的な方式と、それぞれのメリット・デメリットを見てみましょう。
- RAID 0(ストライピング)
- 説明: データを複数のディスクに分割して保存します。
- メリット: 同時に読み書きできるため高速。
- デメリット: 1台でもディスクが故障すると、すべてのデータが失われます。
- RAID 1(ミラーリング)
- 説明: データを完全にコピーして、複数のディスクに保存します。
- メリット: 1台のディスクが故障してもデータは残るので安心。
- デメリット: 容量は実質半分しか使えません。
- RAID 5
- 説明: データを分割しつつ、「パリティ」と呼ばれる誤り訂正用情報を一緒に保存します。
- メリット: 1台の故障ならパリティからデータを復元可能。容量と安全性のバランスが取れています。
- デメリット: 書き込み速度はRAID 0やSSDに劣ります。
選び方の目安
- 安心重視 → RAID 1 または RAID 5
- 速度重視 → RAID 0(ただし故障時のリスク大)
- 高速化が目的なら → RAIDよりSSD導入を検討
- シンプル運用 → ネットワークで共有できる利便性を優先し、バックアップを別に確保してHDD 1台のNASを選ぶのもあり
他にも種類はありますが、個人で使うとなると上記の3つが主になります。
もう少し詳しく知りたい場合、BUFFALO様のサイトがわかりやすかったため以下を参考にしてください。
NASとクラウドの違い
クラウドストレージは月額料金がかかる一方、NASは初期投資のみで使い続けられます。ただし、クラウドに比べると停電や機器トラブルに弱い面もあるので、クラウドと併用するのがベストです。
まとめ
NASは、家庭でもビジネスでも活躍する「プライベートクラウド」のような存在です。
- 複数端末でデータ共有
- 自動バックアップ
- 外出先からのアクセス
- メディアサーバー機能
といったメリットがあり、使い方次第で大きく生活が便利になります。
外付けHDDやクラウドサービスだけでは物足りないと感じている方は、ぜひNAS導入を検討してみてください。
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