— 日本語ファイル名が原因だった —
Appleが AFP のサポートをやめるとアナウンスしてからかなり経ちました。AFPのサポートがなくなるということは、TimeMachineでTimecapsuelが使えなくなるということです。そのような状況からそろそろ Time Capsule を卒業して、NAS に移行しようとしている人も多いと思います。
僕も Timecapsule を2台使っていましたが、1台を IOデータの LANDISK に置き換えたところでした。最新のOSである、 Tahoe(MacOS26)では、新規に接続するNASとして、AFPを使うことができなくなったようです。すでに利用しているTimecapsuleは継続利用できるというので、もう一台は、しばらくしてから取り替える予定でした。
ところが、Tahoeにアップデートしたところ、なんと、Time Machine で Time Capsule にも LANDISK にもバックアップできていないのです。バックアップに失敗しているのです。
原因は、AFPは全く関係ありませんでした。なんと、日本語の名称です。
しかも、自分でつけた名前ではなく、Time Machine が自動でつけるバックアップ名が問題でした。かなりの人が気づいているようで、ネットで調べると同様の問題で困っている人がたくさんいます。
この不具合は、macOS TahoeにおけるUnicode正規化形式 (NFD/NFC) の不具合が原因とされています。これにより、日本語(特に濁点・半濁点を含む文字)や一部の非ASCII文字を含む名称が正常に処理されず、バックアップボリュームが開けなくなります。
【原因】Time Machine が自分で付けた “〇〇のバックアップ” という日本語名のディスクにアクセスできない
Time Machine が NAS に作成するバックアップは、次の2つの名前を使います。
◆ ① ファイル名(実体の名前)
<端末名>.sparsebundle
例:
- My-MacBook.sparsebundle
- (僕の実際の端末なら)MBA#2-2022Apr.sparsebundle
◆ ② マウントする時の名称(Time Machine がこの名前でアクセスします)
〇〇のバックアップ
ここの、「のバックアップ」という部分が悪さをしています。
例:
- 「僕のMacBookのバックアップ」
- 「MBA#2-2022Aprのバックアップ」
macOS 26(Tahoe)では、この 日本語部分を含む名称がうまく扱えず、NAS 上のバックアップを開けなくなります。原因はMacOSにありますから、どんなNASでもエラーとなります。
例えば、以下のどのNASを使っていてもエラーとなります。
Time Capsule
LANDISK
他社 NAS
【結論】すべて「英数字だけ」にすれば解決します
現時点で、もっとも確実な回避策はこれです。
Time Machine が関わる名称を、英数字だけに統一する。
することは 2つです。
- コンピュータ名を英数字に変更
- バックアップファイル(表示名)を英数字に変更
順番に説明します。
■ Step1:コンピュータ名を英数字に変更する
コンピュータ名を英数字にする理由は、Time Machineが使用するファイル名である、 “〇〇のバックアップ” の 〇〇部分が、自分のコンピュータ名だからです。
▼ 手順
- システム設定
- 「一般」→「情報」
- 「コンピュータ名」を英数字へ変更
例:
- ❌ 僕のMacBook
- ⭕ My-MacBook
私の場合、
MBA#2-2022Apr という名称です。#もやめた方がいいのでしょうが、今のところ、問題ないのでそのままです。ちなみに、2022年の4月に購入した、MacBookAirの二代目なのです。
■ Step2:バックアップファイルの表示名を英数字に変更する
NAS 上の、バックアップの実体である
<端末名>.sparsebundle
をマウントする時の名称を英数字に変えると、バックアップが成功するようになります。
この手順が最も重要です。ここで変更するのは、
.sparsebundleファイル自体ではなく、それをダブルクリックしてマウントしたときにFinderのサイドバーに表示されるボリューム名です。
▼ 手順
- Finder で NAS に接続
- Time Machine の保存先フォルダを開く
- <端末名>.sparsebundle を探す 例: - My-MacBook.sparsebundle - MBA-2-202xApr.sparsebundle
- .sparsebundle をダブルクリック
- ウィンドウが開くので、下の方の名称の部分を 右クリック → 情報を見る
- 表示名を英語へ変更
この画面の MBA#2-2022Apr.sparsebundle の部分をダブルクリックします。

すると、以下の画面が出ます。ここで、一番下の「MBA#2-2022Apr-Backup」の部分が、「〇〇のバックアップ」となっているので、右クリックし「情報を見る」というメニューを選びます。いま、「MBA#2-2022Apr-Backup」となっているのは、修正後だからです。

以下のような、画面が出るので、名称をアルファベットと英数字にします。以下の画面は、修正後の例です。

▼ 変更例
- ❌ 「僕のMacBookのバックアップ」
- ⭕ 「Backup of My-MacBook」や「My-MacBook-BKUP」
- ❌ 「MBA#2-202xAprのバックアップ」
- ⭕ 「Backup of MBA#2-2022Apr」や「MBA#2-2022Apr-Backup」
ちよっと、注意
Timemachineのバックアップ対象から、一旦外して、再度設定するときに、
「“xxxxx”には、すでにこのコンピュータの既存の(暗号化されれていない)バックアップが含まれています。既存のバックアップの使用を続けますか、それとも既存のバックアップを消去しますか?」
と聞かれます。
私は、ここで、「既存のバックアップを使用」を選択しています。
「既存のバックアップを消去」を選んだときに、うまくいくかどうかわかりません。新しいOSでは、新規のAPFはサポートされません。ここで「消去」を選択したときに、もし、新規のAPFとみなしてサポート対象外になってしまうと元も子もないので、試していません。
【トラブルシュート】うまくいかないときの対処
何回か試してみて、うまくいかないパターンは、二つです。 .sparsebundleを開けない、正確には、マウントできないということです。ここでは、「開けない」ということにします。もう一つは、名前を変えたのに、バックアップできない。この二点です。
◆ .sparsebundleを開くときにエラーとなるとき
【Step A: 環境リセット】
- Time Machine の設定で、NAS を「バックアップ先から外す」
- Finder のサイドバーで NAS を「接続解除」
- NAS を再起動
- Finder から NAS へ再接続し、表示名を英数字に変更する(Step2参照)
【Step B: Time Machine 再登録】
- Time Machine で再登録
- バックアップ実行
◆ 名前変更後もバックアップに失敗する場合
- Time Machine から外す
- Finder で接続解除
- NAS 再起動
- Finder で再接続
- バックアップ先に再設定
- バックアップ実行
ほとんどの場合、英数字+接続リセットで直ります。
【まとめ】
macOS 26(Tahoe)の Time Machine は、日本語名称の扱いに不具合があります。
直るまでは、
- 端末名を英数字へ
- バックアップ表示名も英数字へ
この2つで回避できます。
Time Capsule からの移行を考えている人はもちろん、NASでバックアップしている人にも役立つと思います。
僕もひとまず、この方法でバックアップ運用を再開しました。



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